先立つ物は金(入院患者K氏編)

A:この前、入院した時のことなんだけど。

B:あぁ、この前のね。

A:Kと言う患者と、世間話をするようになって五日目イツカメだったかなぁ、そのK氏の顔が、
何と無く沈んでいるように思えたので、何か心配事でも、と聞いたら、
”私は、この病院からトンズラしようと思ってるんだけど”と、
いきなり、突拍子トッピョウシなことを言い出すもんだから、内心ナイシン、何を冗談言ってるんだろうと思ったら、
そぉでもないんだよ。

B:冗談じゃぁなかった!?じゃぁ、本気!?

A:そぉ言うこと。

B:で、中身は。

A:当人が言うには、”救急車で運ばれて、入院できたのは幸いだったけど、
生活苦で、その費用までは払うことができない”とのこと。

B:それで、策として、’逃げ’の選択になったわけだ。

A:罰当バチアたりの事を、止める為に、K氏にケースワーカーの話をしたんだよ。

B:それは、正解だ。患者の経済面とか、そのほかの相談ゴトができるのは、ケースワーカーだからなぁ。

A:で、K氏がケースワーカーに相談したところ、
入院中は医療保護が認められ本人負担は無しとのこと。
退院した後は、”生活保護の申請をして下さい”と言われた、と。

それでK氏はホットして、今迄の深刻な表情は消えて、”助かりました、Aさんのおカゲです。ありがとうございました!”と、感謝されたよ。

B:庶民が入院した時、経済的に問題無ければナンてこと無いけど、そぉじゃぁなかったら、
入院していても費用の事が気になって、病院での生活も憂鬱ユウウツになってくるんでは。

A:そぉ言うこと。どぉしようもない現実だよなぁ。

B:先立つ物は金・・・、か。


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